先日ニュースになった、チバニアン。
チバニアンって聞いたような気がするけど、どんな意味だっけ?と思いますよね。
チバニアンとはラテン語で「千葉時代」という意味です。
急に千葉時代といわれても、何のことだかさっぱりわからないですよね。
そこで、ここではチバニアンについて、できるだけわかりやすく解説したいと思います。
この記事は、
・チバニアンについて興味がある人
・千葉時代ってどんな時代?って思う人
・歴史に興味がある人
に宛てています。
これを読めば、あなたもチバニアンについて深く理解できると思います。
このチバニアンの意味や謎を知るととても面白いですよ!
チバニアンの由来となった場所
チバニアンはラテン語で「千葉時代」という意味ですが、この千葉とは、具体的に千葉県の地層のことを指しています。
その地層は、地球磁場逆転地層といいます。
千葉県の地球磁場逆転地層の場所はこちらです。
住所:〒290-0546 千葉県市原市田淵1898
地球磁場逆転地層は世界でも珍しい地層で、世界に3か所しかないといわれています。
この場所はパワースポットにもなっている場所です。
地質年代というのは、地層のデータを調査することでわかります。
なのでそのデータが最もよくわかる地層が、世界の基準値として選ばれるのです。
そしてその年代名は、地層のある地名から付けられるんですね。
なので千葉県のこの地層からは、地球磁場が逆転した確かなデータが取れたということなんですね。
千葉のライバル、イタリアの「イオニアン」とは?
実はチバニアンにはライバルがあったのです。
それがイタリアの「イオニアン」です。
イタリアでは、南部モンテルバーノ・イオニコの地層で調査が行われていました。
イオニアンとは、地中海のイオニア海が由来となっているのですね。
地球史の年代名は、地中海沿岸の地名が由来となっているところがいくつもあります。
なので、イオニアンはチバニアンにとって、手ごわいライバルとなっていたんですね。
最終的にどちらの名前が採用されるのか、最終決定は2018年になる見通しですから、ドキドキしますね。
2017年の段階では、一次審査でチバニアンの方に決まったとの通達がありました。
これは、イタリアよりも千葉のほうがデータが確実だったということでしょうね。
チバニアンとは地磁気が逆転した時代だ!
といってもわかりづらいので、まずは地球の説明からしますね。
私たちの住む地球は大きな磁石だった!
え~、本当なの?と思うかもしれませんが、本当なんです。
意外に思うかもしれませんが、地球というのは、大きな磁石のようなものなんです。
地球は磁気を帯びていて、磁場を作っているんですね。
といっても磁場は目に見えないのでわかりづらいですけどね。
方位磁石ってあるじゃないですか。
あの方位磁石が南北を向くのは、地球が大きな磁石だからなんですよ。
地球には北極にS極、南極にN極の、とても強い磁場があるんです。
この強い磁場のことを地磁気と呼んでいます。
地磁気逆転の意味とは?
地磁気の逆転とは、地球において、S極とN極が反転する現象のことです。
今は北極がS極で南極のN極ですが、地磁気逆転が起こると、北極がN極で南極がS極になってしまうのです。
すごく奇妙な現象ですよね。
地球の磁場の歴史の中では、いつも方位磁石のS極が北極を指していたわけではなかったんですね。
時によっては南極の方角を指していた時代もあったわけです。
地磁気には謎が多い
北極のS極と南極のN極を「地磁気」と呼んでいますが、この地時期にはわからないことが多いのです。
地磁気がどのようにして発生しているのかが謎で、一説には、地球の内部の電気が磁場を作り出しているともいわれています。
チバニアンとは地球史の千葉時代のこと!
この磁場が入れ替わってしまう地磁気逆転の現象は、過去360万年の間で、11回も起こっていたのです。
360万年間に11回といわれても、多いのか少ないのかよくわからないですけどね。
国立極地研究所によると、いちばん最近起こったのが、約77万年前で、この逆転は「ブルンー松山境界」とよばれています。
この77万年前の逆転によって、地磁気が今の、北極のS極と南極のN極という形になったんですね。
この逆転以降12万6000年前まで、つまり、約77万~12万6000年前の時期を「チバニアン(千葉時代)」と呼ぶことになったわけです。
ちなみに、地球史の中で日本の地名が付く時代はチバニアンが初めてです。
地球の歴史
地球は、誕生から現在まで、約46憶年の歴史があります。
その地球の年代は、生物や気候、磁気などの状態によって、100以上に区分されています。
その中にチバニアンという時代があるわけですね。
約77万~12万6000年前の時期です。
この時代にはどんなことがあったのでしょうか。
チバニアン(千葉時代)に起こったこと
ではチバニアンではどんなことが起こったのか見てみましょう。
・約77万年前 地磁気の逆転が起こり、地球の磁場が今の形となりました。地球の磁場は10万~100万年ぐらいの不規則な周期で逆転しています。
・約70万年前 この頃から10万年周期の気候変動が見られるようになりました。
・約50万年前 北京原人が生きていた時代です。北京原人は原始的な石器を用いて、火を使っていました。
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・約40万年前 マンモスが誕生した時代です。
・約23万年前 ネアンデルタール人が生きていた時代です。ネアンデルタール人はヨーロッパから、西アジアや中央アジアにいました。
・約20万年前 ホモ・サピエンスという現在のわれわれヒトの祖先が誕生しました。
・約14万年前 氷河期がピークとなります。この後は、温暖化へと向かいます。
・約13万年前 温暖期のピークとなります。
以上の期間がチバニアン(千葉時代)となります。
これを見ると、チバニアンはホモサピエンスという、われわれの祖先が誕生した重要な時代でもあったことがわかりますね。
チバニアンと同じような名前が付いている時代
地球史の中では、チバニアンのように、「○○ニアン」と呼ばれる時代がたくさんあります。
チバニアンと同じ新世代の第四期更新世では、カラブリアン、ジェラシアンがあります。
新世代の第三期までさかのぼると、ピアセンジアン、ザンクリアン、メッシ二アン、トートニアン、サーラバリアン、ランギアン、バーディガリアン、アキタニアンと続いていきます。
「チバニアン」の商標登録の問題
日本の研究チームが地質年代の名前として提案した「チバニアン」という名前が、無関係の人に既に商標登録されていた、という問題がありました。
商標登録されたのは、貴金属やキーホルダー、おもちゃ、印刷物などです。
商標登録すると、その商標に関しては、自分だけが独占して使用することができるんです。
では、「チバニアン」という言葉のつくものは、この無関係の人のものということなのでしょうか。
しかしながら、特許庁はこの無関係の人の商標登録のうち、出版物に関しての登録を取り消す決定をしたのです。
この決定で、論文や書籍で「チバニアン」について扱うことができることになっています。
まとめ
ここでは、チバニアンについてまとめました。
地球の磁場が関係していて、話のスケールがかなり大きくなりましたね。
昔の地層を調べることで、いろんなことがわかりました。
チバニアンについて考えれば、地球史のロマンや神秘的な現象を感じることができると思います!
まとめは以上となります。